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2010.08/15(Sun)

出撃前にちょこっとだけ 

身支度は整えた

資金は十分だ

体調は問題ない

暑さには気をつけろ

カタログはチェックした


さぁ、イクか・・・



の前にだが

昨日のスト魔女の話でも書いておこう


スト魔女 第6話

「空よりも高い場所で愛までは叫べなかったケモノ」




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私にとって「シールド」なんてものはあってもなくても関係の無いものだ。
戦場でネウロイの攻撃をそれで受け止めるウィッチを見れば、ただ「苦労してるなぁ」なんて他人事でしか思わないくらい。
そんな時、私はいつものように自慢の予知でアッサリ避けて、敵の懐へ――なんてのが普通の普通。いっそのことみんな私みたいに未来が見えるならこんな戦争だってあっという間に終わるのにナ。

神様は意地悪だ。
でもそれはそっくりそのまま私のところに帰ってくるなんて思わなかった。
まっ、ここでこれからの未来が私に見えていたらこんな気楽に考えることも出来なかったけどナ。



4_20100814223119.jpg

今度のネウロイは高度3万メートルの世界にコアを持つ常識はずれの化け物だった。
例えるならバカに長い灯台だ。その場で突っ立てりゃ苦労はしないのに、どうやらそいつは少しずつ動いているというおまけつき。何だよソレ。
――で、そんな高い世界に私たちのストライカーはどう足掻いたって行けるわけが無い。
ならば、と坂本少佐が持ってきたのは「ロケットブースター」なる物凄い代物だった。この前バルクホルン大尉がいつの間にかお釈迦にしたあのストライカーみたいに魔力を吹き上げてネウロイまで接近するらしい。
ここまでは……まぁ、いつも通りのブリーフィングだった。でもその先が私にとっては思いもよらないもの。

ネウロイ殲滅に関してはサーニャが攻撃担当で、護衛のためにシールドを張るウィッチを一人。
空に上がるのは二人だけ。

そりゃさ……真っ先に私は手を上げたよ。なんてたってサーニャは私が守るんだからナ。
シールドをまともに張れないことだって「ムリダナ」の一言で流してやった。
気がつけば私は宮藤に食って掛かっている始末。
なんてことない。501の中で一番強力なシールドを張れるのは宮藤だけ。シールドの張れない役立たずよりずっと適任だ。
まったくソレぐらいもわからないなんて……どうかしてた。

ちなみに後ろのピアノはこの間のロマーニャの皇女様からのプレゼントとして贈られてきたものだったり。ルッキーニのやつ一体どこでこんなコネを作ったんだろうか。でもまぁ、食費を無断で使った一件もあるからチャラだけど。
そういえばピアノをここまで運び入れるのにはバルクホルン大尉が力を貸してくれた。てか、頼まなくても一人で持ってきたのには驚いた。
嬉しそうなサーニャに大尉は「私にとってみんな妹みたいなものだからな。遠慮はするな本当の姉と思って――」なんて言ってたけど、流石に妹にされるのはムリダナ。



5_20100814223119.jpg

敵の敵は――てなことで私は浴場に向かおうとしていたツンツンメガネをひっ捕まえてサウナに押し込んだ。
宮藤が選ばれたのはシールドを張れることだけだ。ならそのお株を奪えば予知能力のおまけを持つ私のほうにアドバンテージは一気に傾く!
意気込んで、愚痴も半分でツンツンメガネにこれからどうすべきか相談。この際、つまらない意地とかプライドとか、もう全部抜きで頼み込むくらいの心意気で。

でもサーニャが入ってきたときはびっくりした。……ヘンな勘違いされてないよな。



6_20100814223119.jpg

リーネのボーイズが火を噴く。
それを私はひょいひょいと避けてやる。
後ろでツンツンメガネが金切り声を上げる。

さっきからずっとこの調子だ。
後ろにはサーニャがいる。そう思っても相手がなぁ……。でも私にはそれが自分を誤魔化す一番都合の良い言い訳だったんだ。
見える――避ける。来る――逃げる。狙われた――外してやる。
予知にしか頼らなった人間はこうなるらしい。
もう本能じみていた。私は頭の中に浮かぶ未来に操られるように飛んでくる銃弾を全て避けていた。
ふざけていたわけじゃない。体が言うことをきかなかったんだ。

私はそれを誤魔化していただけ。臆病を隠していたんだ。

7_20100814223119.jpg

ツケが回った。
嬉しそうにマフラーを並べたサーニャはまるでこれから旅行にでも行くようにはしゃいでいた。綺麗な笑顔だった。
きっと最初から私が選ばれていたならそのマフラーが宮藤のだって聞いても軽口叩いて――まぁそりゃ言い過ぎてサーニャのほほを膨らませていたかもしれないけど。
そんな微笑ましい一場面だって私は作れなかった。サーニャの本当の気持ちを気づいて上げられなかったんだ。

ほんと、諦めてた。
宮藤のほうが絶対大丈夫。安心してサーニャを任せられる。だから自分は宛がわれた役目をただこなすだけで――。

枕が飛んできた。プレゼントしてやったやつだ。
ぐるぐる回る頭の中はそれでピタリと止まった。動かなくなった。

サーニャが何か言った。なんで?
サーニャが泣いている。なんで?
サーニャが出て行った。なんで?

私は人の気持ちだって予知してどうにかできると思ってたらしい。


8_20100814223139.jpg

高い空はとても寒い。防寒対策は一番高いところに上がるやつじゃなくてもやっておかなきゃ凍えちまう。
魔女だって万能じゃない。ストライカーだって万能じゃない。
私は万能どころか一番底を這いずっていた。

宮藤はバルクホルン大尉からコートを貸してもらった。ほんとしっかりした姉だ。本当に姉妹でも誰も不思議には思わないナ。
フル装備のルッキーニは暑さのせいかげっそりしていた。嫌々してもイェーガー大尉には敵わない。成すがままってまさにコレだ。
しかしサイズもピッタリだし、大尉は案外着せ替えでもしようと買いだめしてるんじゃないか? あの服を見てるとそう思う。

リーネのジンジャーティーは……肝油と良い勝負とだけ言っておく。

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爆音、暴風、重力、轟音、振動、爆音――。

頂点に二人を乗せた501の魔女ロケットは遥か3万メートル、天空のネウロイ目指して突き進む。
一段目のみんなが切り離される――上空1万メートル。

ロケットが猛り、
唸る。そして昇る、空より高く、星に届くほどに――。

もうすぐ2万メートル、2段目の私たちが切り離される。
そう考えているうちに2段目が切り離された。

揺れ続ける世界で見上げた先にサーニャ……と宮藤。
二人とはしばらくお別れだ。このまま二人は空を突き抜ける。誰も行った事無い世界でネウロイを倒すため飛び続けるんだ。
あの二人には何てこと無い。きっと無事に帰ってきてくれる。

きっと無事に――サーニャと目が合った。




10.jpg

そんなの……嫌だっ!!

脳裏を掠めていたのはこれから二人が向かう世界のこと。
空気も、音も、命の息吹なんて絶対にあるわけが無い世界。もしかしたら行ったら帰れない片道だけの旅。
もしもシールドが壊れて放り出されたら……待つものは「死」ソレしかない世界だ。

この任務が絶対成功する保障なんてあるのか!? そんな世界に二人を行かせるのか? サーニャを行かせるのか!? 

予知なんかじゃない。でもこのままサーニャを行かせたらもう二度とサーニャと一緒に歩いていけない気がしたんだ。
任務の成功とか失敗とかじゃない。置いていかれる気がした。私の知らないどこかへサーニャが行っちゃう気がした。
サーニャが一人でいっちゃう気がした。

どこへだってついて行ってやる! どんなことからだって守ってやる! いつだって笑顔にしてやる!!
そう決めたのは自分じゃないのか!? エイラ! おまえじゃないのか!?

そうだ! サーニャが一番望んでいることはそれなんだ! 自惚れだっていい! 勘違いだっていい!
何よりも! 私はこんなところで諦めるバカじゃないだろっ!!
諦めずに頑張って、それで駄目になったのか!? そうじゃないだろ!!

気がつけば、もう私は敵いっこないじゃじゃ馬に必死に食らいついていた。
軌道が定まらない。ストライカーが壊れそうだ。
手が届かない。距離は離れていく一方だ。
――遅かったんだ。気づくのが遅すぎたんだ。もっと早く諦めるなんて気持ちを追い出していれば。

そんな背中を誰かが押した――。


11.jpg

宮藤は自分の代わりに私をサーニャに託してくれた。最初から迷いもせず、まるで打ち合わせていたように私を空へ押し上げてくれた。
一番敵だったやつが……一番の味方だった。

私たちはたどり着いた。暗くて冷たい空の彼方へ。
ただ、そこは想像とは少し違う。見上げなくても視界一杯に星空が広がり、遥か先には月が顔を出している。
地球が描く弧は本当に星が丸いことを教えてくれて、自分たちがどれだけちっぽけなのか思い知らせてくる。
感動とか不安とか、いろんな気持ちが溢れてくるのを繋いだ手に力をこめ忘れた。

あいつがいた。ネウロイがいた。

頭の中に浮かぶビジョン。花咲くように引き裂けた灯台から放たれる一条の光。




12.jpg

避ける――違う!

守り抜け!!

左手が光をまとった。目の前でネウロイの光を散らす魔法陣は他でもない自分自身の盾。
無我夢中で私は自分の、サーニャの守護者を作り上げていた。
土壇場だった。だけど自分は守れたんだ。
だから突き進む。あいつの攻撃はじきに途切れる。それは予知が教えてくれた絶対の真実。
このまま突っ込んで、一気に仕留める! 

13.jpg

それが私たちに出来ることだ!

フリーガーハマーから放たれた九つのミサイルがネウロイを爆撃の嵐に晒した。
コアは容易く砕け、次の瞬間にはネウロイは爆発と共に光の欠片へ還っていった。
あまりの衝撃にサーニャが吹き飛ばされる。その手を握る。握り締める。

離さない! 絶対に離すもんかぁ!! 一緒なんだ! 絶対! ずっと! 一緒なんだっ!!

張られ、回り続けるシールド。初めてにも等しい左手の感触なんてもう知ったこっちゃ無い。今はただサーニャの温もりを右手に感じ続けたい。
そのために私は痛いほどに左手に魔力を、右手に力をこめ続けた。




14.jpg


――静寂に包まれた世界。

「――――」って言ったつもりだったけどこの世界じゃ音で気持ちは伝わらない。自分の耳だって何を言ったかわからないじゃないか。
だからコツン、と額をくっつけ囁いた。同じことを二度も言うのはかっこ悪い気がしたけど気にせずにもう一度。

「ごめんな」っていまさら過ぎるけど、やっぱりこれだけは言葉にしないと伝わらない。

改めて知る世界の広さ。視線の先にウラルの山が見えた。オラーシャ――サーニャのふるさと。
サーニャが手を伸ばす。小さな手が山を握り締める。本当に今なら届きそうだ。このまま飛んでいけばきっとすぐにだって――。

それ以上のことを私は考えられなかった。
私はサーニャの言葉に私は泣き出していたから。

嬉しかった? それもあるけど違う。悔しかったんだ。
本来の任務なら私は今大地の上でサーニャを待っている。それを拒否したのは私自身のくだらない我侭だ。根拠の無い自信と、子供みたいな駄々をこねて、サーニャのところまで飛んできた。
それがどれだけ危険なことなのか冷静になればなるほど思い知らされて、怖くなる。
命令を無視して飛んで良いことなんて一つもない。

もしかしたらサーニャがいなくなっていたかもしれないんだ。きっとそれは私がサーニャを――したことも同じ。
みんなを巻き込んで、迷惑かけて、そうでもしないと仲直りすら簡単に出来ない私はなんて弱い人間なんだろう。
ただ今は、それだけが悔しかったんだ。こんな私じゃまだまだサーニャを守れるなんて、二人で歩くことなんてもっとムリ……ダナ。

15.jpg

「帰ろう、みんなのところへ」

うん、帰ろう。
今の私はサーニャだけを守っているわけじゃない。501のみんなを、世界の人たち全てをネウロイから守らないといけないウィッチなんだから。
いつか、あいつみたいに真っ直ぐ飛べるようになりたい。
「守るために」ただそれだけで空を飛んでいける強さを私も早く手に入れたい。
サーニャと並んで飛ぶにはきっとその強さが必要になるはずだから。

この抱きしめた小さな翼を守れるように。


……ありがとう、サーニャ。




まっ、当然だけど基地に戻ってからはミーナ隊長にお目玉食らったわけで……。
宮藤も一緒につき合わせちゃってごめんな。








16.jpg

どうもミーナです。

最近、我が501のほぼ全員がことごとく規則を破り、規律を乱しております。
正直隊長としてはやってられません。
そこで私もすき放題やってみようと決意したしだいです。遠くでトゥルーデが頭を抱えていますが気にしません。
無断出撃、試作品破壊をやってのけた人間の言うことなんて聞きません。
たてついたら上官命令で営倉へ押し込みます。エイラさんと宮藤さんがいてちょうどいいでしょ?

そういうわけで次回「モゾモゾするの? 乳酸菌取ってるぅ?」

女ミーナさんじゅうはっさい。

ケツ圧でネウロイを押しつぶします!






だってギャグに今回走れないんだもん!!
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